≪ 近況報告 | 00_雑記
2023年12月08日 マシン紹介および特有課題の解決方法
【はじめに】
この記事は「マイクロマウス Advent Calendar 2023」8日目の記事です。

昨日は Kazuki.Iida さんの「マウス走行中のログをFRAMに保存する話」でした。
仕事ではオンラインデバッグばかりで、スタンドアロン動作時のログ取得・記録の方法は経験が浅いため、とても勉強になりました。

【導入】
私とマイクロマウスの関わり
 2012年関西地区大会で初めて現地観戦しました。
 選手として参加したのは、第42回全日本マイクロマウス大会(2021年度)からです。
 機構系の面白いアイディアを詰め込むとマシンが大きくなりがちで、他競技に比べてサイズ制限が緩いロボトレース競技に出場しています。

今回の記事
 ロボトレース競技に出場している「無旋Drive」シリーズについて、マシン紹介および特有課題の解決方法を記します。

【マシン紹介】
特徴
 マシンの向きが変わらずに、全方向へ移動できます。
 モータ2個で4輪全ての操舵・駆動を行います。
 第43回全日本マイクロマウス大会 出場機 無旋Drive02
 MSD02_01.jpg

 言葉や静止画では伝わりづらいため、走行動画をご覧ください。


機構説明
 Swerve Drive という機構を用いています。モジュールの中で車輪が360°向きを変えられるとともに、どの向きでも駆動が伝えられる機構です。
 Swerve Drive モジュールが四隅に付いていて、全ての車輪が操舵輪であり駆動輪として機能します。
 全てのモジュールが中央の歯車に接しており、機械的に同期しています。中央歯車は2段あり、下段が操舵、上段が駆動、それぞれ同期しています。
 操舵モータ1つ、駆動モータ1つの合計2つで全ての動作を行っています。

 構造詳細や改良については、Docswellで公開しています。
  ロボティクス勉強会35_全方向移動機構_改良記

【特有課題の解決方法】
特殊な機体を製作すると、特殊機特有の課題に直面します。
1. ラインセンサ配置問題
 一般的なライントレースマシンは、前方にセンサが付いていればラインに追従できます。
 無旋Driveシリーズは車体の向きを変えられないため、前方だけでは足りません。
[解決策]
 どの方向にラインがあっても検知できるように、環状のセンサ基板を製作しました。
 MSD_Sensor01.png

2. マーカ検知問題
 曲率変化地点やスタート・ゴールを示すマーカは、ラインに対して垂直方向にあります。
 1. 同様 車体の向きを変えられないため、マーカセンサも1方向では足りません。

[解決策]
 環状のサイズを調整し、マーカもラインセンサで検知できるようにしています。
 MSD_Sensor03.png

3. センサ数が多い問題
 センサを環状に配置すると、個数が多くなります。
 無旋Drive01と無旋Drive02は、ラインセンサが24個あります。
 使用しているマイコンはアナログ入力ピンが12個しかありません。
 
[解決策]
 アナログマルチプレクサで切り替えて読み込んでいます。
 品番 : TC74HC4053AF (東芝 CMOS デジタル集積回路)
 MSD_Sensor02.png
 A B C ピンへの信号に依って、X-COM とつながるピンが 0X 1X のどちらかに決まります。Y-COM Z-COM も同様に切り替えることができます。


【まとめ】
特殊な移動機構を備えたマシンも完走できます!
完走するためには、一般的なマシンでは発生しない課題に直面することがあります。
アイディアと知識と技術を以て挑めば、道は開けます。

【宣伝】
明日は、H.S.さんの「探索時に袋小路を閉じる方法。探索を賢くする一歩目として。」です。
マイクロマウス競技は未だに観戦のみですが、探索の賢さは目を見張るものがあります。
これから参加する方の参考になると思いますので、ぜひご覧ください!

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kurogane.me.land.to/mt/mt-tb.cgi/90

コメントする

Calendar
2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
Monthly Archives
2023年
2017年
2015年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
Category Atchives